北欧紀行 (2014)

(掲載順)

2014-09-03
北欧旅行秘話 1

Reportをご覧になった方は あれっとお思いになったでしょう。

デンマーク、コペンハーゲンで現地ガイドをしてくださった方がお名前を 「二葉さん」とおっしゃる!
今まで同じ名前の方は本やまたは知り合いの知り合いに・・ということはありましたが
目の前にいらっしゃるのは初めてで ビックリしてしまいました。
(あちらは由緒正しく二葉亭四迷からきているらしいが私はどうもおじいちゃんの行きつけの飲み屋の
女の子の名前だったらしい。。)
ただならぬご縁を感じこの旅が必然だったかのように感じます。

濃い1日を朝早くから観光にショッピングに博物館廻りまでよくガイドしてくださいました。

 

いつでしたかReportでご紹介した私が20年以上前に刺したコペンハーゲンの地図覚えていらっしゃいますか?
当たり前ですがコペンハーゲンの街はその通り!
一人で興奮していました。



そして自宅リビングにかけてあるそれぞれのフレームはこの中の主要な建物をピックアップしたもの。
先日画像でご紹介した市庁舎が・・・ アマリエンボー宮殿が・・・


  

  


興奮します。
ご一緒したHちゃんは刺しかけが終ったら絶対これを刺す!と意気込んでおられました。

できればもっと時間をとって図案のあるホルメン教会やニボーダ団地等も行って 
おんなじ~と喜びたかったな。 
ホテルはすぐチボリ公園の横だったのにチボリ公園にも行けなかったね。と一昨日
お教室にいらしたご参加のSさんとはなしていたところです。



  


2014-09-10
北欧旅行秘話 2

刺繍はまだお載せにならないの?と沢山聴かれました。
毎日のおけいこで北欧の様々なお話をしていますがワークショップのことが知りたい方、
手芸店のことをお尋ねになる方、北欧の刺繍の現在のことをお聞きになる方
民族衣装のことを聞かれる方、美術館のことを聞かれる方・・・etc
今日の自宅教室は刺繍のことにはほとんど触れず食べ物の話で盛り上がって終ってしまったし・・
忙しながらいろんな話に花が咲き楽しい毎日を過ごさせていただいております。。
そして皆さん旅の途中の私のReportを一緒に旅しているようだった・・と楽しんでくださっていたことがわかり
睡魔に襲われながら頑張った甲斐があったと喜んでおります。

写真も立ち止まって構図を考えて・・・なんてのがなくただデジカメとiPadの両方で歩きながら走りながら
バシャバシャ撮る!って感じでしたので充分にお伝えできず申し訳ありません。


さあ今日は素敵な窓辺を・・

  

  


特別素晴らしいお家でなくとも窓辺のお飾りはとても根付いている感じでレースや刺繍をさりげなく使っています。
カーテンの見え巾や分量がお上手でとってつけた感がありません。

ハルダンゲルでは窓からお家の中をふと見やると奥で小さなライトをつけて刺繍をしているご婦人があり、
参加の皆さんできゃあ~と叫びながら「ここであの感じで暮らしたい!」と騒いでしまいました。



デンマーク Greve Museum には農作業の合間に暗い室内より 明るい窓辺近くの
テーブルに腰掛け刺繍をしているご婦人を描いた油絵が飾られていて印象的でした。


2014-09-15
北欧旅行秘話 3

いよいよ刺繍のお話に入りましょう。
旅行中のReportにも足順でお載せしたノルウェーのベルゲンからフィヨルドに沿って内陸に入ったところで
2つの民族博物館に行きました。
Voss ヴォス とHardanger ハルダンゲルです。
ヴォスは山間にある街で ハルダンゲルはハルダンゲルフィヨルドに沿った地方名でUtne ウトネという地名の場所に
博物館はあります。
ノルウェーの全19県には様々な民族衣装がありエプロンやブラウスの襟元やカフス、胸元のジレ等に
その地方独特の刺繍やお飾りがあります。
私たちがハーダンガー刺繍(英語読みでハルダンゲルを読むとハーダンガーになります。)と呼んでいる
白糸でカウントステッチの幾何学模様の刺繍が入っている民族衣装はこのヴォスとハルダンゲルのみのようです。

 

15歳の年に日本の振袖の様に民族衣装を現在では80万円くらいかけてそれぞれの家庭で用意をするのだそう。
昔はそれぞれの家庭で刺繍をしたそうですが現在は業者や刺す人を探して刺繍をしてもらうのだそうです。
現在は5月の憲法記念日の際に民族衣装を着てお祭りをするそうですがそれ以外ではあまり活用はされていない
らしく民族博物館の中の過去のものになってしまっている印象でした。

ヴォスとハルダンゲルの違いは山間とフィヨルド水辺の違い。
各博物館に結婚式の様子が飾られていましたのでご紹介しましょう。


ヴォスは山間なので馬に乗っての行列です。

花嫁の頭飾りはこんなふうです。


ハルダンゲルはフィヨルドを船で渡ります。

こちらの花嫁の頭飾りも少し違います。


前にも載せましたがちょうどヴォスでは結婚式があり列席のお嬢ちゃんたちが日本のおばちゃま方に
お写真撮られてもOKと言ってくれたのでみんなでバシャバシャ撮らせていただきました。
ドレスの襟元の可愛かったこと!

列席のご婦人の何人かは民族衣装風なドレスを来ておいででしたがご婦人までは失礼で撮れませんでした。。

それぞれの博物館の古い作品群はそれはそれは細かく美しく眠っておいででした。
観光客が押し寄せるわけでなく静かに佇んでいる民族博物館は過去の産物感が強く
ベルゲンの手芸店で見たように小さなキットは簡単なものだけで今に伝わっている感が少なく少し残念でした。
素敵なデザインはパターンに起こしてみようと思っています。





ヴォスの博物館の丘の上から中心街を臨む。


2014-09-18
北欧旅行秘話 4

今日はハルダンゲル民族博物館でお習いしたワークショップについてお話しましょう。

ハンスさんのホテルウレンスヴァンからフィヨルドの対岸へ20分ほどフェリーに乗った所ウトネに
博物館があります。最近はフィヨルドに橋がかかったのでフェリー客が減ったと言っていましたが
刺繍のためにフェリーで朝から乗りつける・・・というのが何とも勇ましく寒い風を横切って皆さんで
はりきって出かけました。
もう秋口でナナカマドの実も赤く、リンゴも実っていました。



博物館の裏にはこんなのどかな光景が広がります


事前にお願いしていたワークショップはこんな内容。
刺したことのないかがりと伝統的なハーダンガーのモチーフです。
刺したい方をチョイスしてテーブルに分かれ
それぞれお習いしました。




前にも書きましたが生地にしつけはしません。もちろんパターンもない。あるのはコピーだけ。
1㎝14目位の麻布にじゃあ始めましょう・・・といきなり始まります。
一番興味深かったのはそんな状態でどこから刺し始めるのか・・ということ。
中央から刺し慣れている私たちにはどの辺が中央にくるのかが気になって仕方がありません。
パターンではなく理屈ではなく手が覚えている・・そんな言い方が正しいのだと思います。
皆、習得しようと口もきかずミソノ1人があっち行ったりこっち行ったりヘラヘラしていたのでした。
おなじみのステッチをノルウェー語で何ていうのか?意味は?・・と聞いたら《東の方から来た男》
なんて言うので聞いてもしょうがないわね・・なんて笑い合いました。


  

アグネスもリブもノルウェー語、英語で私たちの質問に丁寧に答えてくださり、それをガイドのマチコさんに
日本語にしてもらって聞き取る・・の繰り返しでしたが同じ針仲間、何を説明しているのか
何となくわかってしまいます。リブはご主人のお母さまから刺し方を教わったと言っていましたがそうやって
伝承されてきたものなのだと歴史を感じます。


見て!美しいでしょう。こんな感じにブラウスの襟元、前立てに変身します。
手仕事の尊さを実感します。


他に見せていただいた作品もどれも細かくそれはそれは美しかったです。
いつも手を抜くこと、楽に出来上がることを考えている皆さん、いけません。
じっくり取り組む。コツコツと・・・・
長い冬をそうして過ごしてきたのでしょう。


ランチ時に3人で記念撮影!


帰ってから早速2つのパターンを起こしました。実に見事に模様が成り立っています。
古い冊子からパターンを起こし活用するのも私の役目かもしれない・・なんて考えました。
そして私の生徒さんたちに刺してもらう・・・そうやってハーダンガーの世界が広がる!う~ん素晴らしい。
現地へ出かけワークショップをした意義を感じています。

2014-09-25
北欧旅行秘話 5

今日はデンマークKastrup空港のそばにある Amagermuseet という美術館のお話です。
飛行機の離着陸の見えるところなのに農家をミュージアムに建て替えたのどかな空間です。


18世紀にオランダから移民してきた人たちによってつくられた民族衣装を見ることが出来ました。
農家の暮らしぶりがそのまま再現された展示内容で豚や山羊やアヒル等の家畜もお出迎えです。



  

  

鮮やかな色彩の花々が刺繍されている民族衣装の並ぶ場所を通り過ぎ 
奥の引き出しをそっと開けたらお宝発見!


白糸刺繍が静かにたくさん眠っていました。


  

  

2014-10-01
北欧旅行秘話 6

今日は最終日に行った Greve Museum です。

ノルウェーの帰りに街並みやフレメも気になって是非コースに入れようと思ったデンマーク、コペンハーゲン。
そうだHEDEBOの白糸刺繍が沢山見れるはず。いくつかミュージアムを廻ろうと2日の時間をとりました。
時間をとって廻ろうと思って調べていくと行きたかったDesign Museumは現在テキスタイル部門がお休み。
Coge Museum も改修中で閉館…その上Greve も展示数が少なかったと聞き どうしましょ・・・と思って
焦ってしまいました。前にも書きましたがダメもとでバックヤードを見せて欲しいと・お願いをし本当にたくさんの
お宝を見せていただきました。そんなこともあって到着した時には小踊り状態!
その外観のまた可愛らしいこと。
茅葺き屋根の黄色い農家風の建物です。


様々な技法の白糸刺繍の数々に興奮の連続でした。
実際同行の生徒さんたちがどんなふうに作品を見ていたのか
わかっていません。
だってミソノずっと写真を撮り小踊りしていたのですから。

通常の展示物は空間もたっぷりとってガラスケースに並べられてありましたが
バックヤードはほこりにまみれた人が通れるか通れないかのところを掻い潜りながら
しっかり拝見させていただきました。満足のにっこり顔はもうご紹介済みですよね。

クロスステッチ、ハーダンガー、レティチェッロ、フリーステッチ、カットワーク、フィレ、縁かがり、フリンジの展開・・・
これらの作品1つにどれくらいの時間を要したかを考えただけで気の遠くなる思いでした。
一部をご紹介しましょうね。


  

  

  

  

  

  


いかがですか?こんな作品が数百。。。


 いや~来てよかった!
 と同行のみんなが思うはずです。 


2014-10-06
北欧旅行秘話 7

今回の旅行のホテルは ノルウェー ベルゲンで1泊、フロムで1泊、 ロストフースで1泊。
ベルゲンに戻り同じホテルに1泊。
それからデンマーク コペンハーゲンで2泊でした。
ベルゲンのオーガスティンホテル、コペンハーゲンのホテルザスクエアは シティーホテルでしたので
中心地に近く足場の良いトラディショナルホテルでした。

 

やはり特筆すべきはフロムのフレトハイムホテルとロフトフースのウレンスヴァンホテルでしょう。

 

FRETHIM HOTEL
 フロム鉄道に乗って急こう配を降りてきた終点すぐにあり 目を横にやるとフェリー乗り場がこちらもすぐ前。 




お部屋よりフロム駅を臨む  右方面にフェリー乗り場。


  


ロビー壁面には民族衣装をモチーフにしたフレームが・・・


フロントではハーダンガーの民族衣装がお出迎え。


そうしてフェリーに乗るとこんな景色が両岸に広がります。


2014-10-06
北欧旅行秘話 8

ULLENSVANG HOTEL

幾度となくご紹介させていただいたハンスさんのホテルです。
旅行に出る前にハルダンゲルヴァイオリンの山瀬さんに行ってきますとメールをしましたら
1泊だけではもったいないわ・・・と言われたのが今ならよくわかります。





こんなところを通った後に着いたウレンスヴァンホテル





Welcomeのこんなスペシャルも
いただいてしまいました。



フロントのカウンター下部はこんな木製のハーダンガーが・・・

 

私お食事にはほとんど触れませんでしたがこちらのホテルのヴァイキングのお料理数は
今までに見たことのない規模でした。ハムチーズに始まりお魚、お肉、デザートやパンまで
ずら~っと並びすべてなんて5日泊っても試せない種類でした。

観光客はもとより家族での大切なお祝いに使われているらしくファミリー規模のパーティが
多くみられ老舗ホテルの素晴らしい風格でした。
そしてこの景色ですものね。




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さて現地での毎日の編集の他 8回に分け様々なシーンをご紹介してきました。
もう1ヶ月が過ぎてしまい遠くになっていくような気もしますが心にしっかりと焼きついております。
私なんて現金を使いきった後にミュージアムに行ったらクレジットが使えないと知り
HちゃんやTちゃんに借金をして本を購入してきました。。。。。
だらしないセンセイです!

 

とても濃い旅でした。多くの生徒さん方がHPを見て「一緒に旅をしているようだった。」と口々に
おっしゃるのでそれだけでもお話が弾みそれも旅の副産物として楽しい日々を送らせていただいています。
是非次はご一緒したいと お姉さま方はあまり年の取らないうちに・・・と言いますし
小さなお子さんをお抱えの方々は子供に手がかからなくなったら・・・と言いますし・・・・・・・・・
自宅にお通いのHちゃん(前出の同行したHちゃんじゃない)は旅費の500円玉貯金を始める・・というので
お教室の講習費は一万円札でお支払いしたらおつりは全部500円玉にしてあげるよ・・・
なんてお話しました。
クローズだったミュージアムが再開したり私がもう少し手も頭も進化したり皆さんがついて来て下さったり
そうしたらまた室さまに連絡を入れて連れて行ってもらうことにいたしましょう。
間違いなく私にとって特別な場所でしょうから。

 

長い間お付き合いくださってありがとうございました。

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