Report…2015

2015-11-13

私の心臓部のノートのポケットには1枚の写真が入っています。
自宅に通っていらしたFさんと2012年の作品展の時に撮った写真です。
彼女とはその時を最後に逢えなくなってしまいました。
自宅教室のお茶の時間になるとそうっと洗面室に行きインシュリンを打っていましたが
いつも笑顔で最後も「せんせ、おいしいブドウを送るわ」と言ってお送りいただいた御礼の葉書を出す間もなく
帰らぬ人となってしまいました。その笑顔の向こうで色々な苦しみに耐えて頑張っていらしたのだと思うと・・・・
でも不思議と近くにいるような気がしていつも「しっかりやってる?」って見守られているようで
しっかりするために写真を持ち歩いています。

現在も闘病しながらお教室に通われている方、ご家族のお病気に立ち向かっておいでの方
その他にもお子さんの様々な局面に寄り添っていらっしゃる方沢山おいでです。
「針を持つと無心になれるの」皆さんそう言って乗り越えようとしていらっしゃいます。 
がんばれ。なんて無責任なことは言いません。
針を動かす繰り返しの中で、また繰り返すことによって進んでいく先の希望へと
どうぞ祈りを込めて立ち向かっていきましょう。
針を持つことは〈作品を作って楽しむ〉の他にその時間が今の自身のあり様を問うているのだと思います。

 

 

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さ、今日も素敵な作品ご紹介します。    

 

 

 

自宅教室Sさんの作品です。
ふくさの代わりに御祝儀を入れるものを作りたいのよ・・・とご相談くださいました。
私の在庫の中からちょっと変わったエンジの生地を見つけシックにこの色で刺しま~すと
選んだのは#644のベージュ。  中袋もこれまたミソノの不良在庫からリバティーの生地を。
縫い方手順もお付けしてお渡ししたらバッチリ出来上がってまいりました。
中板はご自身でカルトナージュでお作りです。
生活に即したこんな小物も豊かな気持ちになりますね。